茅葺の保存と健康管理(過去投稿)

昨年から健康保険組合の健康促進の一環として、ウォーキングを企画・運営しています。今年は200人の参加予定ということで気は抜けないので、下見を兼ねて一足早く出かけてきました。

歩き出し、1.9kmあたりでレンゲの花に誘われて飛ぶ蝶を見つけました。大きさや模様はアゲハチョウ、普通は黄色い部分がブルーで輝いていて見えました。

先に進むと、古い茅葺き屋根の建物が目に入ってきました。
あの徳山ダムに沈んだ集落にあったものらしいのです。調べてみると、明治初年建築の農家住宅だそうで約150年も前のもの。公園へ移築されたのが昭和62年なので、ここで29年建っていることになります。葺き替え周期は20〜30年なので、すでに葺き替えを経験しているかもしれません。茅葺きに使う茅というのは、現在では特定の地域でしか調達出来ないことや茅葺きの技術をもつ人たちも少なく、現代建築では見ることがなくなってきたのですが。

歩いていること、レンゲの花にアゲハチョウそして茅葺き。
こういった風景にどこか懐かしく、足が止まってしまったようです。

実は今でも耐震・改修の仕事で茅葺きに出くわすことがあります。時代にともなって環境が変わり、建築に使われる素材が進化し建築も進歩するものだと常日頃考えているのですが、新しく建て替えるばかりでなく、保存することも良いことなのかと、こういった風景が教えてくれるのはとても嬉しいことです。公園ではこうして展示されていますが、茅葺き屋根の保護には、人が住み建物に風を通すことや、囲炉裏などから出る煙も大切と言われています。

使い続けることが、長く保存することに繋がる。
だれがそこに住むのか、耐震性のことも考えると一口に保存と言っても悩ましいところもあります。
環境に合わせ建築が変わったとしても、その時代に合った最適解はいままでの時代や風習をくみ取れているかどうかにかかっているかも・・・。

などと思いを巡らせつつウォーキングをしました。本番も好評頂き、現在の私の健康に関しては保護活動が出来ました。

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